日本のウールの産地を巡る旅

こんにちは。

KARAKU by meデザイナーのMakikoです。

私は先日、岐阜県の尾州地域を訪れました。

尾州は日本を代表するウールの産地であり、100年以上の歴史をもつ工場が今も息づいています。

マテリアルセンター — 世界中のデザイナーがインスピレーションを求めて集まる場所。

尾州で作られるウールは、実は世界の名だたるブランド──CHANELやDIORといったメゾンにも使われています。

その生地は、ここでしか生まれない独特の風合いと深みをもっていて、一枚の布に日本の職人たちの心と技が宿っています。

葛利毛織工業株式会社の100年働くウール生地を織る機械

工場を見学すると、巨大な織機がリズムよく動いていました。

けれども、その機械に一本一本の糸を通すのは、今も人の手。

何日もかけて丁寧に準備をして、ようやく織りの工程がスタートします。

その根気と集中力、そして布づくりへの愛情に、心から胸を打たれました。

私も機械に糸を通す体験をさせてもらいました。

しかし、そんな素晴らしい工場も今、職人や後継者不足のために閉鎖を余儀なくされているところが増えています。

時代の流れの中で、消えつつある“日本のものづくりの記憶”。

それをどう守り、どう未来につないでいけるのか——

私自身も、何かできることはないかと模索しています。

木玉毛織株式会社の100年以上の歴史を持つ紡績機が、時を超えた精度で糸を撚っています。

ひとつの生地ができるまでの時間、

そこに込められた人の手のぬくもり、

そして「本物」をつくるという熱意。

私は尾州を訪れて、改めて日本が誇るべきものを再確認することができました。

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